MEMO

日常の呟きから小説裏話まで
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LINKを整理しました


 [LINK]を整理し、閉鎖されたサイトや長らく更新が止まっているサイトなどを削除しました。


 PCのハードディスクをバックアップするため、いらないデータを消していたのですが、昔管理していた別サイトからリンクさせていただいていたサイトさんのバナーなど、色々出てきまして(^^ゞ
 それらを整理がてら、現在のLINKページも整理しました。
 いやはや、懐かしいものが出てきましたよー。NASDA(現・JAXA)のバナーとか! びっくりしましたw

いつかどこかで2をサイトにアップしました

 MEMOにて連載していた「いつかどこかで2」を校正し直したものを、サイトにアップしました!!

itsudoko2_poster.jpg

 いつかどこかで2

 勢いに任せて書いた故に辻褄が合わなくなっていた場所や、表現が分かりにくかった部分などを直しましたので、見比べてみるのも面白いかもしれません(^^ゞ

いつかどこかで2・但し書き

【但し書き】

・こちらは15周年企画「いつどこゲームde短編小説Part2」の投票結果をもとに書いたオリジナル小説です。
・全6話構成の不定期連載となります。
・勢いで書き上げて勢いでアップします。誤字脱字、また色々気になる点がございましたら各話のコメント欄よりご意見等をお寄せください。
・全話連載終了後、あれこれ修正して完成版にしたものをサイトにアップします。


第1話「いつ」 2014/07/16
第2話「どこで」 2014/07/18
第3話「誰が」「誰と」 2014/07/30
第4話「何をして」 2014/09/30
第5話「どうなった」 2014/10/02
エピローグ 2014/10/11


・完成版をサイトにアップしました!(2014/10/11追記)


いつかどこかで2・エピローグ

「二人とも、何てところから入ってくるんですか!!」
 開け放たれた窓から飛び込んできた仲間達の姿に、思わず寝台の上で後ずさったカイトは、ずり落ちた眼鏡をぐいと持ち上げながら、そんな抗議の声を上げた。
「お前、ツッコみどころはそこかよ」
 苦笑するエスタスの横で、アイシャがホッとしたような表情で呟く。
「起きてた。よかった」
「ええ、随分楽になりました。ご心配を――」
 そこでようやく、目の前の二人がふよふよと宙に浮いていることに気づき、今度は寝台から転げ落ちそうになるカイト。
「なななな、何で浮いてるんですか!?」
「気づくのが遅いよ」
 やれやれと肩をすくめつつ、手にしたお盆を机に置くエスタス。薬の効力は続いているようで、この状態だと椅子に座ることが出来ないのが難点だ。
「どうしたんですか二人とも!?」
 どうにか体勢を立て直し、そう尋ねてくるカイトに、何と説明をしたものかとエスタスが顎を捻る横で、アイシャがずずいと手にしていたお盆を突き出す。
「元気になる料理、作った」
 器に注がれたアイシャ特製の煮込みは、未だほかほかと湯気を立てている。見た目は絵の具でも入っているのかと思うほどの赤。これまでアイシャの手料理で散々泣かされてきただけに、素直に「はい」と言えるものはないだろう。
「は、はあ……」
 慄くカイトに、エスタスがずいと匙を差し出した。
「百聞は一見にしかず、だ。食べてみろよ!」
「なるほど。つまり、二人のその状態はこの料理と関係があるということですね? うーん……」
 苦手意識と知識欲を天秤にかけ、しばし唸っていたカイトだったが、どうやら知識欲が勝ったらしい。差し出された匙を受け取り、恐る恐る赤い汁に突っ込む。
「ど、どれどれ……」
 決死の覚悟といった形相で、匙を口に運んだカイト。そしてごくり、と嚥下し――。
「かっ……!!!」
 それきり言葉にならず、無言の悲鳴と共に悶絶しているカイトに、今度はエスタスが自分の持ってきたお盆から取って付きの器を取り上げると、ほらよと差し出した。
「まあ飲め」
 反射的に奪い取るようにして器を受け取り、一気に飲み干すカイト。それでようやく喉を通り抜けて行った激痛が治まったのか、ほっとした顔で口を開く。
「ああ、助かりましたエスタス。これはメイラ小母さん直伝の煮込みですね。いやあ、美味しいなあ……??」
 最後まで言い終わらないうちに、カイトの体がふわりと寝台から浮き上がった。
「おお? おおおおお!?」
 まるで重さが失われたかのように、ふわりと宙に浮かぶ己の体に、驚きとも喜びともつかぬ奇声を発し、ばたばたと手足を動かして均衡を取ろうとするカイト。その脇を支えてやって、エスタスは苦笑交じりに呟いた。
「一口でこれかよ。どんだけ効き目の強い薬だったんだ?」
「効果は、抜群」
 満足そうにうんうんと頷くアイシャ。そして、ようやく自分で体勢を整えられるようになったカイトは、狭い客室内をふらふら飛び回りながら、はしゃいだ声を上げる。
「あはは、これは楽しいですねえ!」
「だろ?」
「元気、出た。よかった」
 にこにこと微笑み合う三人の背後、開け放たれた窓の彼方から、どっと沸き上がる歓声が響いてきた。
「おや、何だか騒がしいですねえ?」
「もしかして……これを飲んだのか?」
 なかなか戻ってこない二人に痺れを切らして、審査員達が味見をしてしまったのかもしれない。
「行こう」
「おう!」
「はい!」
 力強く頷き合い、壁を蹴って窓を飛び出す。
 そうして、三人の冒険者達は快晴の空の下、賑わう街を眼下に、村長達の待つ広場へと翔けていった。


いつかどこかで2・終わり

いつかどこかで2・第5話「どうなった」

 カラーン、カラーンと澄んだ鐘の音が鳴り響く。
『しゅうりょーう!! 皆さん、手を止めてくださーい! お疲れ様でしたー!!』
 間髪入れずに響き渡った村長の声に、仕上げを終えたエスタスはお玉から手を離した。
「ふう、終わったか」
 肉と野菜の煮込み料理が一品、付け合せが二品。一刻の間に作ったにしては上出来だろう。
 さてアイシャの方は、と向かいの天幕を窺えば、ぐつぐつ煮えたぎる鍋の前で満足げに腕組みをしているアイシャと目が合った。
「どんな出来だ? アイシャ」
「いい感じ。負けない」
 ぐいと親指を突き出して答えるアイシャ。彼女にしては珍しい感情表現に慄きつつ、こちらこそ、と笑ってみせるエスタス。
『さて、それでは早速審査に入りたいと思います! まずは緑の天幕、西大陸代表のリュシオーネさん!! リュシオーネさんはなんと、一昨年まで西大陸の『塔』で料理人をされていた実力派! 現在は港町リトエルで雑貨屋を営んでいらっしゃいます。さあ、『塔』の魔術士達を虜にした料理の数々、披露していただきましょう!』
 歓声に包まれながら審査員席へと進むのは、たおやかな名前の響きとは裏腹に肝っ玉母さんを絵に描いたような中年女性だ。袖から覗く逞しい二の腕は、『塔』で大量の食事を作り続けてきた証拠だろう。
「カイトのやつ、やっぱり間に合わなかったか……」
 一番端の特別審査員席は、相変わらず空いたままだった。それは観客も気になるところだったようで、ざわつく広場に村長の声が響き渡る。
『特別審査員がまだ来ておりませんが、時間がありませんので進めさせていただきます』
 申し訳なさそうにそう断りをいれた村長は、それでは、と大仰に片手を振り上げた。
『審査員の皆さん、どうぞ召し上がってください!!』
 一層大きな歓声が上がり、審査員達がそれぞれ旨そうに料理を頬張る中、赤の天幕ではアイシャが揚げ菓子を網の上で冷ましながら、ちらちらと広場の入口を窺っている。
『南大陸代表のアイシャさん、準備をお願いしますねー。その次は東、北ときて、最後は中央大陸という順番になりますよー』
 そんな言葉に審査員席を振り返れば、まだ審査員達は西大陸の料理に舌鼓を打っている。まだ時間はありそうだと判断して、エスタスは青の天幕を離れると、せっせと食器を並べているアイシャへと近づいていった。
「アイシャ、一人で大じ――なんかいつもに増してすごいな、それ」
 鍋から立ち上る刺激的な香りに、思わず顔を顰めるエスタスに、アイシャはえっへんと胸を張ってみせる。
「いい香辛料、手に入った。隠し味も、ばっちり」
「……一応聞くが、味見したよな?」
 その言葉に、はっと口を押えるアイシャ。
「……してないんだな」
「してなかった」
 これはまずい。辛過ぎて審査員がひっくり返りでもしたら一大事だ。
「今からでも遅くない。味見しといた方がいいぞ」
 真摯な瞳で提案するエスタスに、アイシャもさすがにまずいと思ったらしい。こくりと頷いて、赤く煮えたぎる鍋の中身を手早くすくい、なぜか二つの小皿によそったと思ったら、一つをぐい、と突き出してきた。
「……何で俺の分まで」
「私じゃ、分からないから」
 要するに、辛いものに慣れている自分では、一般的な感覚が分からないと言いたいらしい。提案してしまった責任もあるし、と腹を括り、エスタスは差し出された小皿を受け取ると、その赤さにごくりと喉を鳴らした。
「……大丈夫なんだよな!?」
「大丈夫」
 自信満々に頷くアイシャを信じ、一気に小皿の中身を喉に流し込む。
「かっ……!! 辛っ……」
 それ以上は言葉にならず、顔を真っ赤にして咳き込むエスタス。そんな彼を尻目に、平然とした顔で「おいしい」と頷いているアイシャ。
「アイシャ、これはちょっとっ……ヤバい――え?」
「美味しい。大丈夫。――あ」
 真っ赤な顔で却下しようとしたエスタス、そして満足げな表情で審査員の分を器によそい始めたアイシャ。両者の体が、ふわりと宙に浮き上がる。
「おおおおおお!?」
「わあ」
 まるで体から重さが消えてなくなったかのように、ぷかぷかと浮き上がった二人の体は、天幕に受け止められてどうにか静止した。
 衆人環視の中での出来事だ、集まった観客達からは驚愕の声が上がり、それが広場中に伝播していく。
「え、なにあれ」
「おいおい、町中での魔法はご法度だろ」
 どよめきが溢れる広場に、村長の冷静な実況が響き渡る。
『おおっと、南大陸代表のアイシャさん、東大陸代表のエスタスさんが突然宙に浮き上がりました!! これは一体どうしたことでしょう!?』
「こっちが聞きたいよ!!」
 思わず怒鳴り返すエスタスを尻目に、ポンと手を打つアイシャ。
「分かった。薬のせい」
「薬ぃ!? ああ、昨日買ってたあれか!」
 昨日、この噴水広場の出店の一つで買い求めていた『元気になる薬』。確か店主は「飛び上るくらい」にと言っていなかったか。
「本当に飛び上がってどうするんだ!! つーか、なんでそれを料理に入れた!」
「私じゃない。多分、村長。隠し味の瓶と間違えて、入れた」
『これは大変なことが起こりました!』
 やけに近くで声が聞こえると思ったら、拡声の魔具を手にした村長がバタバタと駆け寄ってくるところだった。
「すみません、私がさっき瓶を間違えてしまったんですね」
 さすがに魔具から口を離して謝罪してくる村長に、アイシャが仕方ないと手を振る。
「言い方、悪かった。隠し味は、こっち」
 空中で器用に体を回転させて、アイシャが指差したのは「紫色の硝子瓶」だ。昨日アイシャが買い求めていた「紫色の液体が入った瓶」と間違えてしまったのだろう。
「なんてもん入れるんですか!!」
 抗議するエスタスの横で、アイシャは動くコツを掴んだのか、水中を泳ぐように天幕の中を所狭しと飛び回っている。
「アイシャ! 何やってんだ!」
「楽しい」
 そんな様子を見上げて、村長は腕組みをするとしみじみと呟いた。
「はあ、確かにこれは、”飛び上がるくらいに”元気が出る薬ですねえ……」
「デショー。元気、ゲンキ」
 いつの間にやらやってきて、呑気な相槌を打っているのは、例の薬をアイシャに売りつけた異国の行商人だ。
「あんた! 何を売りつけやがった!」
 その声を聴きつけたエスタスは、天幕の支柱を蹴って空中で一回転すると、男の胸ぐらを掴んで抗議の声を上げた。しかし彼はぱたぱたと手を振りながら、陽気な声でこう返してくる。
「ダカラ、元気になる、薬だネー。楽しいデショ?」
「そういう問題か!」
『これは予想外の事態になりました。なんとアイシャさんの料理は、飛び上るほど元気が出るようです!』
 いい加減な実況を入れる村長に、観衆からは驚きと喝采とが半分ずつ上がっている。審査員達は何とも言い難い表情でこちらを窺っているが、今はそれどころではない。
「おい! これ、いつになったら効果が切れるんだ!?」
「サア?」
 小鳥のように小首を傾げる異国の商人に、またもやエスタスが怒鳴り声を上げようとした、まさにその時。
「そうだ」
 そんな声に振り向けば、どこか楽しそうに瞳を輝かせたアイシャがふわりと宙を泳いで近寄ってきた。
 そのまま両手を口に当て、こそこそと耳打ちをしてくるアイシャに、最初は皺の寄っていたエスタスの眉間が徐々に緩んでいき、最後はとっておきの悪戯を思いついた子どものような表情を浮かべて、ぱちんと指を鳴らす。
「そりゃいいな」
「行こう」
 ひょいと机の上のお盆を取り上げ、力強く天幕の支柱を蹴って、遮るもののない青空へと飛翔する、南の国の少女。
「ちょ、ちょっとアイシャさん!? どこへ行くんですか?」
 慌てた声を出す村長に、一度自分の天幕に戻ったエスタスが、楽しげに言葉を投げかける。
「ちょっと野暮用で! 先に進めててください!」
 こちらもお盆を手に、ひらりと碧空へ飛び出す赤毛の青年に、会場からまたもやどよめきが沸き起こる。
「ええっ!? あー、えーっと」
 説明もされぬまま取り残された村長は、しばし呆然と空を翔る二人の背中を見送っていたが、はたと我に返ると、手にしていた拡声の魔具を作動させて、今にも詰め寄ってきそうな観衆に向けて大声を張り上げた。
『えー、ただいま南大陸代表、東大陸代表が急用で飛んで行ってしまいましたのでー、先に北大陸代表の方、お願いしますです、はい』