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日常の呟きから小説裏話まで
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Twitter300字ss・「声」


 300字という字数内で一週間掛けて完結した小説を書き、それを公開して交流や宣伝に役立てようという「Twitter300字ss」。
 第二十四回目のお題は「声」です。




『祈り』

「こらー! 玄関を泥まみれにしやがったのはどこのどいつだー!」
「きゃー☆」
 村外れの小屋からは今日も賑やかな怒鳴り声が響いてくる。
「あーあ、またやってる」
 ひょんなことから幼い少女との共同生活をする羽目になった神官ラウル。越してきた当初は猫を被っていた彼も、今では毎日額に青筋を浮かべて怒鳴りまくる姿が定着してしまった。
 故に、神殿で聖句を唱える彼の姿を目撃した村人は、揃って目を丸くすることとなる。
 朗々たる声が紡ぐのは、複雑な音韻と音階を織り込んだ調べ。
 伴奏もなく、聴衆もない。それでも彼は真摯に祈り続ける。
 そして、こちらに気づいた彼が照れくさそうに笑う顔が見たくて、今日も村人達はこっそり神殿を覗くのだ。





 「でんたま」シリーズより、主人公ラウルの意外な一面。
 猫を被ってるか素で怒鳴ってるイメージが強い彼ですが(笑) あれでも優秀な神官様なので、神への祈りは欠かしません。
 ラウルが信仰している闇と死の神ユークの聖句(「術」としてではなく、あくまで日々のお祈り用に作られている、賛美歌に近いもの)は、どれも少し物悲しい雰囲気のもの。
 普段はやんちゃな彼が真摯な表情で紡ぐ祈りは、人々の心を打つことでしょう。


※帰省中につき、予約投稿しております。うまく行かなかったらすみませーん(>_<)