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日常の呟きから小説裏話まで
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Twitter300字ss・「人形」


 300字という字数内で一週間掛けて完結した小説を書き、それを公開して交流や宣伝に役立てようという「Twitter300字ss」。
 第四十回目のお題は「人形」です!


『mannequin』

 以前から気になっていたのだ。
 時折店の前を通りかかる銀髪の美少女。レースをたっぷり使った白いワンピースにお揃いのボンネット。まるでお人形のような彼女は、ショーウィンドウの新作ドレスを眺めては、幸せそうに溜息をついたり、何やら難しい顔をして考え込んだり。
 どうせなら中に入ってじっくり見ていけばいいのに、こちらに気付くと申し訳なさそうにお辞儀をして、足早に去ってしまう。
 なので決めた。次に彼女を見かけたら――。
「ねえ、あなた!」
 背後から声をかけ、飛び上がって驚く彼女の手をぎゅっと握りしめる。
「モデルになってくれない?」
 ずっと考えていたのだ。彼女に似合う服はどんなものか。
 そう、今度は私が彼女を眺める番だ。


『雛人形』

 もう桃の節句に浮かれるような年齢ではないというのに、今年も文さんは嬉々として雛人形の飾りつけに余念がない。
 立派な七段飾りは、初孫に浮かれた祖父母がわざわざ遠方の人形問屋まで足を運んで購入したものらしい。
「出すだけでも大変だから、もういいって言ったのに」
「いいえ。一年に一度のことなのですもの、手は抜けませんわ」
 そう答えた文さんは、ふと思い出したように笑みを零す。
「そういえば、この雛飾りをお求めになった理由は、女雛が香澄さんに似ているからだったそうなのですけれど、対になる男雛の顏が良すぎると言って、大旦那様が文句をつけてらしたんですのよ」
 妙な言いがかりをつけられて、彼らもさぞ迷惑だったに違いない。





『mannequin』

 …『垂れ耳エルフと世界樹の街』より、お人形ちゃんとファッションデザイナーのお話。
 こちらは以前、Twitter上で「いいねしてくれた人を自分の創作世界のキャラにするとしたら」みたいなタグがあって、そこで三番街に住むファッションデザイナーというキャラを作らせていただいたのですが、そこで「時々、通行人を問答無用で店に連れ込んで着せ替え人形にする悪い癖がある。先日の被害者は骨董店の看板娘。」という文章を書いた時に思い描いた光景をSSに仕立ててみました。
 骨董屋の看板娘ことリリル・マリルも裁縫が得意&ファッションには拘りのあるタイプなので、あっという間に意気投合して新作ブランドを立ち上げていそうです(笑)

『雛人形』

 …こちらは『松和荘へようこそ!』より、雛人形を飾るお手伝いの文さん(地縛霊)と、現当主の香澄さん(女子大生)のお話。
 顔のいい男雛に「孫の(存在するかもわからない)未来の結婚相手」を重ねてしまった香澄さんの祖父は、雛飾りを出すたびにぶちぶちと文句を垂れては、奥さんに窘められていたのではないでしょうか(^^ゞ

 ちなみに、香澄さんと文さんが暮らしている母屋は広いので、七段飾りでも余裕で飾っておけます。
 なんなら蔵に眠る先祖代々の雛飾りも全部出して並べましょうか、と文さんは提案しているのですが、それは大変だし絵面を想像すると怖いから、と懇願してやめさせたようです(^_^;)

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