適度に聞き流しつつ、興味深く聞く。これが出来ると出来ないとでは、同じ話を聞いても苦痛になったりするんだろうなあ、と思う今日この頃。
私の祖父はまだ現役で働く事務員ですが、酒が入ると同じことを繰り返して話す癖があります。
それは若い頃からの癖らしく、長年連れ添っている祖母などは、もう耳にたこが出来ていることでしょう。
しかし、祖父の記憶力はかなりのもので、数十年前の事柄も、地名や天気や人の名前に至るまではっきり覚えており、しかも結構波乱万丈な人生を送っていることもあって、鉄道から軍隊、旅行先の話から史実まで、多岐に渡った話が聞けたりします。
特に若い頃――戦争中から戦後の混乱期にかけて――の話は興味をそそるものばかりで、何度同じ話を聞いても私は楽しかったりするんですが、母にはそれが苦痛で仕方ないらしく、いつも「また同じ話ばっかりして」「くだらない」と吐き捨てたりするんです。
その言い方はまるで思春期の娘が「お父さんなんて嫌い」と言っているようで、可笑しくもあるんですが(^_^;)
「淑女の振る舞いとは、そこにトイレがあると知っていても、それがトイレだと口に出さないことだ」、と何かの本で読んだことがあります。
何かを不快に思っても、それを口に出さずに本人の胸に収めておけば、少なくともその呟きを聞いて不快になる人はいないわけで。
大体、酔っ払いの言動なんてもんは、本人じゃなくて酒が喋ってるようなもんだから、いくら言ったって労力の無駄だって(^_^;)
そんな祖父の話を書き留めてみたい、といつも思うのですが、いつも唐突に話し出すからその機会がない……(^^ゞ くやしいなあ。
八十近くなっても自分のことを「俺」と言い表し、歴史小説や推理小説が大好きで、流行ものに目がない祖父。酔っ払うとちょっとたちが悪いけど(^^ゞ 不器用に家族を守って生き抜いてきた祖父が大好きです。
ちなみに、ゲルク老のモデルはこの祖父だったりします。
頑固で熱血漢で、曲がったことが大嫌いで、でも孫にはめっぽう甘いおじいちゃん(笑)